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TOA・ボーカロイド中心の二次創作です
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うーん、コレは短編? 長編?
毎回、その区切りに悩みます。 
話としてはそれぞれ独立したものが三つです。今回はボーカロイドです。
好みが分かれるとは思いますが……。


CPはカイミク、レンリン、ぽルカです。
しかも、ロリコン気味です。
それでも良い方は『つづきはこちらから』どうぞ

+ + + + + + + + + +

 

小さな恋のうた



 緑の長い髪を高い位置で二つに結った女子高生が校舎の窓から外を見ている。
 少女の頬はどこか熱を帯び瞳も微かに潤んでいる。
 視線を一度も逸らさずに少女は窓辺に佇んでいた。
 「あっ、ミクいたー」
 少女の背後の角を曲がって来た緑の髪を肩まで伸ばした女子高生が窓辺に佇む少女に近づいていく。
 「何見てるの?……ああ、ミクの愛しの君か」
 「……うん。巡音カイト君」
 窓の下に二人の男子生徒と一人の女生徒を認めて、少女はからかいを含んだ声で言う。ミクは視線を向けぬまま僅かに熱が覗く声で答える。
 「カッコいいことは認めるけど……スッゴイ、シスコンだよ? あいつ」
 そう巡音カイトは青い髪に青い目。すらりとした長身。少女のように想いを寄せる女生徒も少なくはない。
 だが、彼は緑の髪の少女の言うように極度のシスコンという現実に涙を流す女生徒も少なくは無かった。
 「グミ……別にいいじゃない」
 そんなこと。溜息とともにミクは少女——グミに向き直る。
 「カイト君……いい人だよ?」
 「まぁ、そうだけど……」
 言葉を濁し黙りこむグミの肩を叩き、ミクは窓辺を離れる。
 望みは薄いことなどミクが一番知っている。それでも……目が、耳が、彼を探してしまう。
 その度に彼が好きだとミクは思い知らされる……だから、何も言わないで欲しい。
 ……全部、分かっているから。
 今は彼を好きでいたい。それだけでいいから……。

 

 

 レンが鏡音リンの家に来た時、レンは全く笑わない子だった。
 レンとリンは従兄弟同士になる。
 レンの両親が事故で死んでしまった為にリンの家に引き取られた。
 一緒の家族旅行の帰りの事故だった。
 そして、レンは家族の中で独り、生き残った。その影響か暗く、ただ頑固な子供だった。
 そんなレンに対してリンの両親は距離を掴みかねていた。それがまたレンを一人にしていく。
 しかし、そんな中でただ一人、リンだけは違った。
 笑わないのなら笑わせようと。レンに嫌わることも、殴られることも気にせずに明るくレンを振り回していった。
 そんな従兄弟をレンは嫌っていた。だから、リンから逃げ回わり、噛み付きもした。
 それでも、リンから逃げれば彼女は一生懸命にレンを追いかけまわした。知恵を巡らせての鬼ごっこ。
 彼女に振り回されているうちにいつの間にかまたレンは笑っていた。
 レンが笑うとリンは更に嬉しそうに笑った。その笑顔をレンは今も忘れていない。
 リンはレンのいて欲しい時にいてくれた。それが嬉しかった。自分もそれが出来る人になりたいと。
 明るいリンの笑顔を守りたい。だから、レンはリンのナイトのつもりなのだ。
 今日もレンに明るく高校のことを話す彼女。いつも話に出てくる青いのと紫……最近では青いのの妹。リンの周りは危険がイッパイだと思う。
 早く……リンを守れるような大人になりたいと今日も今日とて思うレンだった。
 打倒! 青いのと紫。リンねーちゃんは渡さない!

 


 真剣な顔で粉を振るっている桜色の髪の幼い少女。そっと横目で確認して少女の母親は手元に目を戻す。
 レンジで熱せられたナッツを包丁で刻み終え母親は少女に声をかける。
 「ルカ。出来た?」
 「……うん」
 ふうと息をつき少女——ルカが母親に答える。振るわれた小麦粉のボールの中に零れた粉を入れて母親はもう一回振るうように指示を出す。
 服やエプロン、更に髪にまで粉を着けながらもルカは懸命に励む。その間に細々と準備をしていく母親。
 『……おかしをつくりたいの……だから……おしえて』
 人見知りの激しくなかなか言いたいことの言えない娘が自分の服を引っ張り見上げてくる。
 教えるくらいは構わない。今までもお菓子作りの手伝いをさせていたが、自分で作りたいと言うのには驚いた。
 初めはあの溺愛している息子にあげたいのかと考えていたが、続く言葉に更に驚いた。
 『……ママのおかし、おいしい。だから……』
 ルカがお菓子を食べて欲しい相手は息子——カイトの友人だった。知った時のカイトの衝撃は大きいだろう。
 そこまで考えて母親は作業に没頭する娘を見る。
 粉をバターと卵を混ぜて、ナッツやドライフルーツと合わせたものに少しずつ入れては混ぜる。
 まだ幼いルカには大変な作業だ。
 なんとかその生地をルカは母親に助けられ型に流し込む。
 「お疲れさま……後は焼けるのを待つだけよ」
 予熱したオーブンに生地を入れ母親は娘に着いた粉やら何やらを払う。
 その間もルカの視線はオーブンから離れない。
 「熱いから触っちゃダメよ?」
 ルカの頭を撫で、軽く髪を直して母親はイタズラっぽく微笑む。
 「喜んでくれるわよ?……がくぽ君ならね」


言い訳
はい、趣味まる出しです。レンは特にそうです。小さいリンが「レンおにーちゃん」とやるよりも、小さいレンが「リンおねーちゃん」とやるほうがイイと思ったからです。
ルカに関してはイメージは『トエト』です。
そのうちにまた載せるかもしれません。その時はお付き合いしてください。
By瀬川 唯

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