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ジェイドとガイはマルクト港に停泊している民間船の取調べに立ち会っていた。普段、軍部の高位にあたるジェイドと伯爵であるガイが取り調べに立ち会うことはほぼ無いのだが、今回は訳が有った。
この民間船は最近巷を荒らしまわっていた性質の悪い海賊に襲われたと連絡があったのだ、それゆえにジェイドが率いる師団の隊員が救援に向う事になった。
そして、そこで高濃度の第七音素を用いた譜術の発動が確認された。その譜術により、海賊は一人残らず捕縛された、自体はジェイドの耳にも届いた。
パッセージリングの停止と共に減少傾向にあった第七音素の譜術をあっさりとやってのけた人物がこの船に乗っている。
そして、ジェイドもガイもそんなことが出来る人間は一人しか心当たりが無かった。
帰ってきた英雄・ルーク・フォン・ファブレ。
そして半年前に突然姿を消した、かつての仲間だった。
「髪を染めている可能性も捨て切れません。ガイ、それらしい人物がいたらその場で留めていてください」
「解ってる」
ガイはジェイドから離れつつ目的の人物を探し、辺りに目を向ける。帰ってきた『ルーク』は望んでいた人物では無かった。その事実が悲しく、疎ましく、そして憎い。
そこまで険悪な感情に変化してしまい、何時しか自分は彼に、オリジナルルークに会いに行くことが無くなっていた。
彼の一番近くに居たのは婚約者の少女くらいだったが、彼女もまた複雑な感情を持ち、日々の激務に身を落としていた。
そして、いつのまにか彼は失踪した。
彼の母は病床に伏せ、王家の正当な血統を継ぐものとしてキムラスカ王は捜索させている。
そして今回、この船に乗っているかもしれないと言う自体になったのだ。
「ガルディオス伯爵!今回の乗船名簿です」
「ああ。すまない」
駆け寄ってきた兵から名簿を受け取り、一ページずつ目を通していく。
「私どもの方でも、一人一人確認はとっておりますが…。船員の話では今回の乗客の中で髪を染めているような者は対象の年齢の中には見つからなかったとの報告です」
「そうなのか?アッシュは目立つ赤い髪だったんだけどな…」
「はい、こちらでもそう伺っておりましたし。一度だけお会いしていますので…」
ガイのふりにそう頷き返しながら話していると、軍医の一人がジェイド共に歩いてきた。
「ガイ、乗客の子供が高熱を出しているそうで、私も少し行って来ます。その間の事は頼みますよ」
「ん、ああ。そうか、わかった」
ジェイドはガイに声を掛けた後、軍医と共に子供が寝かせてある船員の休憩室へ足を踏み入れた。
ベットに寝ている子供は10歳くらいの男の子だった。その傍らの椅子にはフードを被った長身の人物が
座っている。軍医にジェイドが付いて来た理由が彼である。
この民間船は最近巷を荒らしまわっていた性質の悪い海賊に襲われたと連絡があったのだ、それゆえにジェイドが率いる師団の隊員が救援に向う事になった。
そして、そこで高濃度の第七音素を用いた譜術の発動が確認された。その譜術により、海賊は一人残らず捕縛された、自体はジェイドの耳にも届いた。
パッセージリングの停止と共に減少傾向にあった第七音素の譜術をあっさりとやってのけた人物がこの船に乗っている。
そして、ジェイドもガイもそんなことが出来る人間は一人しか心当たりが無かった。
帰ってきた英雄・ルーク・フォン・ファブレ。
そして半年前に突然姿を消した、かつての仲間だった。
「髪を染めている可能性も捨て切れません。ガイ、それらしい人物がいたらその場で留めていてください」
「解ってる」
ガイはジェイドから離れつつ目的の人物を探し、辺りに目を向ける。帰ってきた『ルーク』は望んでいた人物では無かった。その事実が悲しく、疎ましく、そして憎い。
そこまで険悪な感情に変化してしまい、何時しか自分は彼に、オリジナルルークに会いに行くことが無くなっていた。
彼の一番近くに居たのは婚約者の少女くらいだったが、彼女もまた複雑な感情を持ち、日々の激務に身を落としていた。
そして、いつのまにか彼は失踪した。
彼の母は病床に伏せ、王家の正当な血統を継ぐものとしてキムラスカ王は捜索させている。
そして今回、この船に乗っているかもしれないと言う自体になったのだ。
「ガルディオス伯爵!今回の乗船名簿です」
「ああ。すまない」
駆け寄ってきた兵から名簿を受け取り、一ページずつ目を通していく。
「私どもの方でも、一人一人確認はとっておりますが…。船員の話では今回の乗客の中で髪を染めているような者は対象の年齢の中には見つからなかったとの報告です」
「そうなのか?アッシュは目立つ赤い髪だったんだけどな…」
「はい、こちらでもそう伺っておりましたし。一度だけお会いしていますので…」
ガイのふりにそう頷き返しながら話していると、軍医の一人がジェイド共に歩いてきた。
「ガイ、乗客の子供が高熱を出しているそうで、私も少し行って来ます。その間の事は頼みますよ」
「ん、ああ。そうか、わかった」
ジェイドはガイに声を掛けた後、軍医と共に子供が寝かせてある船員の休憩室へ足を踏み入れた。
ベットに寝ている子供は10歳くらいの男の子だった。その傍らの椅子にはフードを被った長身の人物が
座っている。軍医にジェイドが付いて来た理由が彼である。
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