続きです。
前作では思ったよりもルークとアッシュが仲良くしてしまいました。しかも、まだアッシュさんはカッコいい。
今回こそはカッコいいアッシュさんは不在です。
ルークも出てきません(予定)
しかも、ボカロメンバー全員ヘンです。
まだ続きそうです。
+ + + + + + + + + +
「レーン!?」
「リン!! 俺に構うな。……お前だけでも逃げろ!?」
レンと呼ばれた金髪の少年の手を掴み、目付きの悪い青年が廊下を引きずっていく。
少年の視線の先には同じ顔をした金髪の少女—双子の姉—が必死に手を伸ばして駆けて来る。周りの者はただ……見ているだけだ。
少年の言葉に少女は立ち尽くす。それでも少年に手を伸ばしたまま……そして、細い声で少年の名を呼ぶ。
「……レン」
不意に、少年を引きずる目付きの悪い青年が少女を見る。そして、通る低い怒気混じりの声が廊下に響く。
「何をしている? 早く来い」
その声に弾かれたように少年を見つめていた少女は、少年に背を向け、走り始めた。
「……!! 必ず!! ……また……会おうね!!」
「ああ……必ずだ!!」
目付きの悪い青年に組み付き少年は少女を逃がす。
「どけ!?」
「嫌だ!! ……行かせるか!! ……うわっ」
目付きの悪い青年は忌々しそうに少年を振りほどき、足早に少女が消えていった角を曲がった。そして、舌打ちをして呟いた。
「……逃げたか」
その言葉に少年は小さくガッツポーズをしている。
それを見た目付きの悪い青年は確信した。自分の欲しいものは少年ではなく少女が持っていることを。
「残念でした。リンの逃げ足知ってるでしょ?」
捕まんないねー。と勝ち誇っている少年に目付きの悪い青年は溜息を零して、懐を探った。
何かを取り出した目付きの悪い青年は更にその中から何かを取り出した。そして少年に憐憫の目を向けて、取り出した何かを宙に放った。
少年は違和感を感じていた。目付きの悪い青年は笑っていたのだ。そして、落ち着き払っていた。
何時もならば眉間のシワを増やすはずなのに……。
少年の目が目付きの悪い青年が放ったモノを捉えた。それはきらりと光を放ちながら地に落ちてゆく。少年ははっと目を見張り、慌てた様子でそれを拾おうと駆け出した。だが、少年の行動を読んでいた目付きの悪い青年に腕を掴まれ阻まれた。
そして少年の目の前でそれは金属的な音を立てて地に落ちた。その瞬間に少年は目をきつく閉じた。
「お金ー!! お金だ!!」
少年の耳によく知った声が響く。少年が目を開くとそこには少女がコインを手にしている。
わー。10ガルトだー少女はコインを手に嬉しそうに呟き、座り込んでいる。その少女の襟元を目付きの悪い青年が掴み少女を立たせた。
「ああー!! ……まさか罠!!」
状況を理解した少女が逃れようと暴れ始める。それでも少女はコインをしっかりと握っている。
目付きの悪い青年はその抵抗を簡単に抑えつける。
「……リン」
「ゴメンね……レン」
しょうがないよ。などと目を合わせ語らっている双子に目付きの悪い青年は頭痛を覚えていた。
「おい……もういいか?」
「お金は返しませんよ!? 拾った私のものだもん」
素早く服の隠しにしまう少女に目付きの悪い青年はやると言い、すぐ近くの扉を開けた。
「きゃー。アッシュ様、金持ち~」
「師団長。やさしー。部下でよかった~」
アッシュはまず抱きついてくるリンを扉を開けた部屋の中に放り込む。そして背中を叩いてくるレンを引っ張り、自分も部屋の中に入っていった。
言い訳
ただ、頭に浮かんだままに書きました。人さらい風のアッシュさんと双子ですね。
ホントはリンを捕まえたときにアッシュさんにもっとえばっていただこうかと思ったのですが、やめておきました。
これからが本番ですね~。多分。
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