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TOA・ボーカロイド中心の二次創作です
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全裸編です。ギャグですね。
途中からグダグダ感が……。
そしてがくぽとカイトの扱いが空気です。
一人暮らしをしている大学生カイトの元に妹の女子高生ルカが遊びに行く……話です。

+ + + + + + + + + +
 その日、ルカは大学進学を機に一人暮らしを始めた兄の元を訪れた。
 手土産にケーキを買ったルカは鼻歌混じりに兄の部屋の中に入っていった。
 「お兄ちゃん~。遊びに来たよ~」
 「……ルカ? えっ、来るなら来るっていってくれたら何か買っておいたのに……」
 ルカが声をかけると奥にいたカイトは妹の姿を認めて困ったように言いながらも嬉しそうに笑いやって来た。
 嬉しそうに笑っていたルカはカイトの姿を見た瞬間、すうっと笑顔を消してくるりと兄に背を向けた。
 そのまま出ていきそうな妹の肩をカイトは掴んだ。
 「何故、帰る!」
 「何故、全裸!?」
 ルカが言った瞬間、しまったという表情をしたのをルカは見逃さなかった。
 「……お邪魔ならわたし、帰るからいいよ。顔も見れたし……」
 声を潜めたルカが部屋の奥を気にしながらカイトに告げる。
 お父さんたちにも元気してたって言っとくね。後、彼女さんにも謝っておいてね……。
 完全に誤解して帰ろうとする妹をカイトは必死で止めて言い募る。
 その兄の肩越しに室内を見たルカは耳に飛び込んできた音の先へ目を向けた。
 携帯を操作している背の高い紫色の長い髪が印象的な男性。ルカの視線に気付いたのか男性がこちらに向き直る。
 何故、全裸! 
 認識したとたんにルカは意識を手放した。 

 「うわっ、ルカ!? ちょっと、がくぽ。服着てよ!」
 「それは無理。……俺のもお前のもメイコの手の中だ」
 情けない表情で言うがくぽを無視してカイトはルカの身体を支えて声をかける。
 「ルカ! ルカって……おーい? ルーカー?」
 完全に気を失っている妹に焦った様子を見せるカイトにがくぽも済まなさそうな表情をした。
 「んー! 休憩終りっ……続きやるわよ~。借金分ちゃんと身体で返してね~」
 ベランダに出ていた女性が伸びをしながら室内に戻ってきた。その言葉にカイトとがくぽは肩を落とした。
 メイコとした賭けに負けた二人は今、借金の為にヌードモデルをしているのだ。しかも、しばらくは彼女にこき使われることになっている……。

 はっとカイトの方を見たメイコが目を瞠る。
 ふらふらとカイトに近づいてメイコは真剣な口調でカイトに切り出した。
 「……カイト。アンタの借金チャラにしてもいいわよ?」
 「マジで!?」
 嬉しそうに顔を輝かしたカイトを尻目にメイコは続けた。
 「この子、くれたらだけど。……ああ、清楚と豊艶を併せもち、咲初めの花にも咲き誇る花にも例えられる容姿」
 メイコはうっとりとカイトに抱かれているルカを見つめて、意識のないルカの頬に触れる。
 「見つけたわ……わたしの理想の少女」
 熱っぽく語るメイコに嫌なものを感じたカイトが恐る恐る尋ねた。
 「ルカを、モデルにって事じゃ……無いんだよね?」
 「違うわ。……大丈夫、幸せにするから」
 キッパリと言い切るメイコの目は恐ろしい程に真剣でカイトは戦慄した。
 「ダメ!! 借金が増えてもそれだけは、ルカだけは渡しません!」
 必死にルカを庇いカイトはメイコの前に立ちはだかった。
 「何で!? 大切に可愛がるわよ!」
 「そういう問題じゃ無い!」


 ぎゃあぎゃあやり出したカイトとメイコを横目にがくぽは溜息をついた。
 「なあ、帰っていいか? それがダメなら服着ていいか?」
 父親から家に顔を出せと言われているのだがなかなか帰れずにいたがくぽはついに父親から出頭命令が出てしまっているのだ。今も携帯に妹から帰ってこいメールが来ているのだ。
 また深く溜息をつくがくぽの耳に信じられない声が聞こえた。
 「こんにちわー。お兄ちゃん居ますね? 返してください」
 勝手なことを言いながら姿を現したのは、妹のリリィだった。
 呆気にとられたがくぽの問いかけも聞こえない様子でリリィはある一点を見つめて息を呑んだ。
 「……ステキ。眠り姫みたい!」
 リリィは床に寝かされたルカに熱い眼差しを送りはっとしたように寄っていった。
 「目覚めの口付けを待っているんですね! 今、わたしが……」
 妹の発言に目を剥いたがくぽが慌ててリリィを羽交い締めにした。
 「なにする気だ!?」
 「大丈夫! わたし色に染めるだけだから!」
 離せ~と、もがくリリィは眼の色を変えてルカに手を伸ばす。
 激しい抵抗にがくぽもカイトも苦戦を強いられていると横から声がかけられた。
 「お、お兄ちゃん?」


 「グミ!?」
 リリィから遅れて姿を現したグミはこわごわと室内を覗き込んでいた。
 「いいところに! そこの子連れて逃げろ!」
 「えっ! 何で裸!?」
 いいから早くしろと急かす兄に従い理由もわからずにグミは兄の指し示した少女の元に駆け寄り声をかけた。
 幸いにもすぐに少女は目を開けた。混乱している様子の少女を連れてグミはその場を後にした。 
 

後書き
浮かんだときはもっとギャグだったのにいざ、書いてみるとあまりギャクにならなかったかな。
この後グミは初対面のルカを連れて家に帰って話しているうちに意気投合して仲良くなってたりします。
by 瀬川 唯

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