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今回は『神威さん家のルカちゃん』の後書きにも書きました『巡音さん家のがくぽくん』をお送りします。
ここまですごい早いペースで書いていますが、とても楽しく書いています。
ただがくぽくんはルカちゃんよりも難しかったです。
巡音さん家のがくぽくん
ベットで眠るルカが起きだした気配にがくぽは閉じていた目を開ける。ルカの朝の弱さを知っているがくぽは足取りも軽くベットに近づく。
「……がくぽ」
気怠そうに名を呼びルカは手だけをがくぽに伸ばす。伸ばされた手にがくぽは顔を寄せた。ルカの手ががくぽの頭に触れた。そのまま頭を柔らかく撫でる。
ベットに横になったままの状態でがくぽの頭を撫でていたルカの目がまたゆっくりと閉じていく。がくぽは困ったようにベットに上がってルカの顔に自分の顔を寄せる。
「……ルカ」
彼女の耳元で名を呼びそのままルカの頬を舐める。彼女はくすぐったそうに笑い目を開ける。ルカの空色の瞳に覗き込んでいるがくぽの顔が映り込む。しっかりとルカの目が自分を捉えているのを見てがくぽは彼女から体を離してベットを下りる。ルカがよく見える場所に移動したがくぽはそこでルカを見つめる。
まだ霞がかっている頭を振りルカはベットを出る。そのまま窓に寄りカーテンを開ける。
さぁっと室内に陽光が差し込む。眩しげに目を細めてルカは軽く伸びをする。
「いい天気~。がくぽ……行こうか?」
朝の弱いルカだが体調をひどく崩さない限りがくぽの散歩だけは彼女が行っていた。
軽くリードを握り歩くルカのペースに合わせるようにゆっくりとがくぽは彼女の隣を歩くのだ。
がくぽが時折、ルカの顔を見上げると直ぐに彼女は見上げるがくぽに気付き微笑んで首を傾げる。
何でもないと言わんばかりに尻尾を軽く振りがくぽは前を見るとルカの手が優しくがくぽの頭を撫でる。
そしてまた二人は歩き出すのだった。
家に帰ったルカは散歩の後始末をしてから食事の支度を始めた。
がくぽはルカ以外の人からは何も食べない。しかし、ルカの手からならばどんなものでも食べるのだ。例えそれが薬であろうとも……。
食事を終えたルカはがくぽを連れて陽光の差し込む室内で歌を口ずさみながら楽しそうにルカはブラシをがくぽの体に滑らせる。
がくぽは心地良さそうにうっとりと目を細めルカにされるがままだ。
手入れが終わったルカは日当たりの良い場所に置いたクッションの上で読書を始めた。がくぽは隣で寝そべりルカの太ももに頭を乗せる。
時折ルカの手が優しくがくぽの頭や背中を撫でる。
読書に疲れたのかルカが横になった。
「がくぽー」
呼ばれたがくぽが彼女の顔を覗き込むと抱き込まれた。そのまま抱き枕にされたがくぽは仕方ないと言わんばかりに尻尾を一振りした。
「がくぽはイイコだね~」
「当然だ。ルカが教えてくれたのだから」
「何をしても文句言わないし」
「文句など無い……俺はルカの隣にいてルカの笑顔を見ているのが幸せなんだ」
当然のように言うがくぽはルカの頬を舐める。くすぐったそうに笑うルカにがくぽは目を細めて尻尾を振る。
後書き
ルカちゃんのウケが良かったのでがくぽくんも登場です。でも人だと思って読むとがくぽくんはタイヘンな子ですね……。
後はタイトルを今思うとまるで親子みたいだな~と気付きました。
また機会があればルカちゃんとがくぽくんを書きたいと思います。