+ + + + + + + + + +
「それに、約束したからな」
そう、大人びた顔に優しい笑顔を浮かべた人物は、ゆっくりとした動作で歩きだした。
「ルーク? 」
「来てくれ、ルークはこの先にいる」
そう告げて振り返った彼は……。
言われるままに暫らく歩くと開けた場所に出る事が出来た。そこは先ほど居た場所よりはるかに切り立った崖となった場所で、その近くの木の幹に……ルークは凭れ掛かる体勢で眠っていた。
「ルーク!! 」
全員、信じられないといった声で彼の名前を呼ぶが、硬く閉じられた目は開かれない。人形の様に眠り続けるルークをアッシュは壊れ物を扱うように抱き上げた。
「大爆発が起こった時に、ローレライが介入したんだが……上手く行かなかったらしい。こいつは二度と目覚めない。それに、ここに来れば乖離するらしいんだ。俺は……反対したんだが、放っていても音素帯で乖離すると言われた」
顔色変えて話を聞く仲間達に、アッシュはなるべく一息で説明しようとしていた。その説明を二度としたくないと言わんばかりに……。
「だから、連れて帰ってきた。約束を果たしたいと、ルークが願っていたからな」
「ルーク……っ」
そう呻いたのは誰だったのか……。
ぽうっとルークの身体が発光を始める、アッシュの腕の中で薄らいでいく身体を涙を溢れさせながらアニスがティアがナタリアが見守る。
「ルーク……」
ジェイドは眼鏡を抑えるフリをして、その光景から目を逸らす。
アッシュは悲しげに表情を曇らせる。腕の中のルークを一層強く抱きしめ、額を合わせ、何度も名前を呼んだ。
「やめろ」
その時、まるで汚いものを見たような嫌悪の篭った声が、嗚咽に支配されていた空間に響いた。
「ガイ? 」
不思議そうな様子で、アッシュはガイに視線を向ける。額はルークに合わせたまま……。
「やめろよ、アッシュ。見え透いてるよ。お前、本当はいい気味だと思ってるんだろ? そうだよな、あんなに憎んでたもんな」
「何を……言って? 」
呆然としたアッシュの表情は皮肉なほどに、ルークと似ている。
「そのままの意味だ。なんでお前は無事なんだよ。ルークは今死んじまうのに、なんでお前は無事なんだよ? あれか、ローレライと何か取引でもしたのか?」
「そんなことしてねぇ!!」
「よしなさい、ガイ」
ジェイドがガイの肩を掴むが、その手を振り解き。アッシュの胸倉を掴みあげる。その拍子に支える腕を失ったルークが草の上に投げ出された。
「じゃあ、お前なんで生きてるんだ? エルドランドで死んだんじゃないのかよ!! ルークの代わりにお前が死ねば良かったんだよ!! 」
「そんな事は、おっしゃらないで!! 」
ナタリアの悲鳴が響く中。ルークの身体は完全に透けていき、何も残さず消えてしまう。言い争う二人と、仲裁に入っていたジェイドはその光景に息を飲み。アニスとティアは大声を出して泣き出した。
「あ、あ…。ルーク、ルーク」
アッシュの服から手を離したガイは、膝をつき項垂れ涙声を出しすすり泣く。
ナタリアも蒼白な顔で立ち尽くしていた。
「ガイ、ありがとう」
アッシュが突然そう呟くと、崖の近くまで走り出した。
「何がだよ!! 」
「教えてくれたろう。俺は何故生きようなんて思ったんだろうな? ガイの言うとおりだ」
そう言いながら、崖から身を躍らせる。
「アッシュ!!!! 」
「ルークを大事に思ってくれて、ありがとう」
end
あとがき
すみません、なんでこんなんかいたんでしょう。消化不良もいいところ。
そう、大人びた顔に優しい笑顔を浮かべた人物は、ゆっくりとした動作で歩きだした。
「ルーク? 」
「来てくれ、ルークはこの先にいる」
そう告げて振り返った彼は……。
言われるままに暫らく歩くと開けた場所に出る事が出来た。そこは先ほど居た場所よりはるかに切り立った崖となった場所で、その近くの木の幹に……ルークは凭れ掛かる体勢で眠っていた。
「ルーク!! 」
全員、信じられないといった声で彼の名前を呼ぶが、硬く閉じられた目は開かれない。人形の様に眠り続けるルークをアッシュは壊れ物を扱うように抱き上げた。
「大爆発が起こった時に、ローレライが介入したんだが……上手く行かなかったらしい。こいつは二度と目覚めない。それに、ここに来れば乖離するらしいんだ。俺は……反対したんだが、放っていても音素帯で乖離すると言われた」
顔色変えて話を聞く仲間達に、アッシュはなるべく一息で説明しようとしていた。その説明を二度としたくないと言わんばかりに……。
「だから、連れて帰ってきた。約束を果たしたいと、ルークが願っていたからな」
「ルーク……っ」
そう呻いたのは誰だったのか……。
ぽうっとルークの身体が発光を始める、アッシュの腕の中で薄らいでいく身体を涙を溢れさせながらアニスがティアがナタリアが見守る。
「ルーク……」
ジェイドは眼鏡を抑えるフリをして、その光景から目を逸らす。
アッシュは悲しげに表情を曇らせる。腕の中のルークを一層強く抱きしめ、額を合わせ、何度も名前を呼んだ。
「やめろ」
その時、まるで汚いものを見たような嫌悪の篭った声が、嗚咽に支配されていた空間に響いた。
「ガイ? 」
不思議そうな様子で、アッシュはガイに視線を向ける。額はルークに合わせたまま……。
「やめろよ、アッシュ。見え透いてるよ。お前、本当はいい気味だと思ってるんだろ? そうだよな、あんなに憎んでたもんな」
「何を……言って? 」
呆然としたアッシュの表情は皮肉なほどに、ルークと似ている。
「そのままの意味だ。なんでお前は無事なんだよ。ルークは今死んじまうのに、なんでお前は無事なんだよ? あれか、ローレライと何か取引でもしたのか?」
「そんなことしてねぇ!!」
「よしなさい、ガイ」
ジェイドがガイの肩を掴むが、その手を振り解き。アッシュの胸倉を掴みあげる。その拍子に支える腕を失ったルークが草の上に投げ出された。
「じゃあ、お前なんで生きてるんだ? エルドランドで死んだんじゃないのかよ!! ルークの代わりにお前が死ねば良かったんだよ!! 」
「そんな事は、おっしゃらないで!! 」
ナタリアの悲鳴が響く中。ルークの身体は完全に透けていき、何も残さず消えてしまう。言い争う二人と、仲裁に入っていたジェイドはその光景に息を飲み。アニスとティアは大声を出して泣き出した。
「あ、あ…。ルーク、ルーク」
アッシュの服から手を離したガイは、膝をつき項垂れ涙声を出しすすり泣く。
ナタリアも蒼白な顔で立ち尽くしていた。
「ガイ、ありがとう」
アッシュが突然そう呟くと、崖の近くまで走り出した。
「何がだよ!! 」
「教えてくれたろう。俺は何故生きようなんて思ったんだろうな? ガイの言うとおりだ」
そう言いながら、崖から身を躍らせる。
「アッシュ!!!! 」
「ルークを大事に思ってくれて、ありがとう」
end
あとがき
すみません、なんでこんなんかいたんでしょう。消化不良もいいところ。
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