ミクとリリィのはちみつ編『切なる想い』を書いている最中に思いついたのがこの話です。
微妙に繋がっていますが別の話となっています。
えろいシーンを無しにしてどこまでそれらしい雰囲気が出せるかとやってみました。
結果、転げ回ったあげくに逃げたくなる話が出来ました。
よろしければ追記よりどうぞ
微妙に繋がっていますが別の話となっています。
えろいシーンを無しにしてどこまでそれらしい雰囲気が出せるかとやってみました。
結果、転げ回ったあげくに逃げたくなる話が出来ました。
よろしければ追記よりどうぞ
+ + + + + + + + + +
甘く、絡まる
その日、ルカはかねてから練習して料理上手の兄からも太鼓判を押されたスコーンを焼いて恋人の家を訪れた。
がくぽはルカの持つ包みを見ると微かに驚いたように目を瞠ったがすぐに温かな笑みを浮かべると大切そうに包みを受け取り、彼女の肩を抱いて中に誘った。
家に入ったルカはがくぽに断り、台所を借りて紅茶の支度をしていた。
湯を沸かしたり準備をしているルカの傍でがくぽは包みからスコーンを取り出して皿に乗せていた。
こんがりきつね色をしたそれはふっくらと膨れていかにも美味しそうだ。
ルカはクリプトン家に来た当初は家事の経験など全く無く、ここに来てから初めてカイトたちの手ほどきで家事を習いだした彼女が近頃は掃除や洗濯は出来るようになった。それでも未だに料理は苦手としていることをがくぽはリンから聞いていた。
未だに一人では簡単な物しか作れないルカはせっせと料理の練習に励んでいるようで、時折、こうして出来たものを持ってきてくれるのだ。それもカイトたちのお墨付きのものだけを。
目元を和ませたがくぽは一つ手に取るとぱかっと二つに分けるて半分を口に放る。
「がくぽさん!」
ティーポットを手にしたルカががくぽの行動に驚いて声を上げた。
微かに肩を竦めてみせたがくぽは気にせず口の中のスコーンを味わう。
さっくりとした外の生地と違い、中の生地はしっとりと口の中でほろりと崩れるスコーンは甘さ控えめでいてそれでも確かな素材の旨みが口の中で広がる物だった。
ゆっくりとがくぽは口の中に入れたスコーンを最後まで味わう。
目元を怒らせてがくぽを見ていたルカはそれに気付くとはっと息を呑むとティーポットをテーブルに置き、伺うようにそわそわと指を絡ませて落ち着かない。
可愛らしいルカの仕草に口元に笑みを宿したがくぽはどこか不安気に瞳を揺らすルカと瞳を見交わせ、ふわりと微笑んだ。
「……美味いぞ」
「本当ですか! ……良かった」
がくぽの言葉に心底嬉しそうに顔を綻ばせたルカはほっと息をつくと花のような笑みを浮かべた。
いそいそと紅茶をティーカップに注ぎがくぽに差し出したルカはがくぽの隣の椅子に腰掛けると、別の包みからクロテッドクリームとカイトの手作りジャムの入った瓶を取り出した。
「スコーンにこちらのクリームとジャムを付けて食べるともっと美味しいですよ」
ジャムの瓶を見たがくぽはふとルカに問いかける。
「それ以外では駄目なのか?」
唐突ながくぽの問いにぱちぱちと瞬いたルカは緩く首を振る。
「いえ。別に構いませんが」
ならばと戸棚に向かったがくぽが持って来た瓶にルカは意外そうな顔でがくぽを見た。
「蜂蜜ですか?」
「ああ」
言葉少なに答えたがくぽはルカに蜂蜜の瓶を渡す。
『桜』とラベルに書かれた瓶をまじまじと見たルカはがくぽに視線を移した。
見上げてくるルカの目にありありと浮かぶ戸惑いにがくぽはルカの座る椅子の背に左手を付き右手を瓶を持つ彼女の華奢な手に重ねた。
「……意外そうだな」
「あ……はい」
ルカは微かに頬を染めて答えた。
がくぽは甘味は食べる事は食べるが、苦手では無いだけでカイトのように毎日アイスを飽きずに食べる程得意では無いとルカは記憶していた。
だからこそ、ルカはがくぽの元に持ってくる菓子はレシピ通りではなく砂糖の量を減らして作るようにしている。
すっとルカの手から蜂蜜の瓶を取りがくぽは蓋を開ける。
「この蜂蜜なればこそ、だな。桜には思い入れがある故に……」
「思い入れ、ですか?」
「そう、我を惹きつけて止まぬ桜に、な……」
首を傾げるルカにくすりと笑い蓋と瓶をテーブルに置いたがくぽの手は流れ落ちる絹を思わせる柔らかな桜色に触れ、一房すくい上げるといとおしそうに目を細めて指の腹で撫でる。
何度か瞬いていたルカは意味を理解すると目を見開き、さっと耳まで赤く染めて視線を彷徨わせる。
そのルカの仕草にがくぽの笑みはいっそう深くなる。
乙女のように恥じらうかと思えば、己の腕の中で見せる大胆に煽情的なまでに誘う彼女を知れば知るほどに、触れれば触れるほど、がくぽは彼女に惹かれ、魅了され……手放せなくなる。
ルカを愛しく想う心は尽きることも褪せることも無く、がくぽの心の奥底で絶えず枯れることの無い泉のように湧き出て鮮やかに存在するのだ。
それはどこまでも心地良い。
顔を赤くし逃げたそうに身じろぐルカの座る椅子の背にがくぽは左手を置くと己の身体を使い彼女の逃げ道を奪う。
息を呑む彼女に構わずに右手で微かな癖を持つ桜色の髪を撫でると一房すくい上げ口付けた。
己の髪を撫でて口付けるしなやかな手と唇。
己の瞳を捉えて離さない強い光を宿す蒼の双眸。浮かべられた笑み。仄かに薫る香。
そのがくぽの全てがルカの身体の最奥から火と熱を喚び起こす。
彼の左手がルカの背筋をゆっくりと滑る。右手で髪を玩ぶ彼はルカの目の前でゆっくりと髪に口付ける。視線を外さないままに……。
「……っ」
小さく声を発してルカは身体を震わせた。自覚した熱はいとも容易くルカを呑み込んで広がる。
熱い。がくぽの触れる箇所全てが熱を帯びてルカを煽る。
もっと、触れて欲しい……。衣服の上からではなく、直に。
全身を駆け回る熱に浮かされたルカはがくぽに熱で潤む空色の瞳を向ける。
口を開いたルカの口にどこか妖しさを含む笑みを浮かべたがくぽの指が差し込まれる。
「んっ……」
口に広がる甘さにルカは目を瞬いた。
しつこい甘さではなくさらりと深みのある甘さが桜の香りと共に口の中に広がる。
「……美味いであろう?」
くすりと耳元で響くのは低く艷めいた笑い。掠めた吐息にぞくりと背筋を震わし切なげな吐息を零した。
頬を上気させ瞳を潤ませたルカは無意識にねだるような表情をがくぽに向ける。
がくぽはルカの口に差し入れた指を抜き取るとどこか陶然とした表情で彼女の雄弁に語る潤んだ空色の瞳を見つめて妖しく微笑んだ。
唾液で濡れた指。
その男性にしては色の白く、整った指をがくぽの赤い舌が味わうように舐めるとまた、髪を撫でて口付ける。
楽しげに細められた妖しい光を帯びるがくぽの瞳からルカは視線を逸らすことが出来ずにただ、見つめていた。
がくぽの仕草に最奥で揺らめく炎と熱がルカの理性を灼く。
触れて欲しいのは、髪ではない。もっと別のところ。
身体の最奥が、本能ががくぽを求めてルカを苛む。
「……あ、っ……」
何も言えずにただ視線を彷徨わせてルカはただ喘ぎ、俯いた。きゅっとスカートを握り込むルカの手は微かに震えていた。
俯くルカの顎を持ち上げて視線を合わせたがくぽはくすりと笑うと囁いた。
「もう一口、いかがかな?」
いたずらっ子のような顔で笑うがくぽの瞳は妖しい色を帯びてルカを射ぬく。
小さく頷いたルカの愛らしい口に蜂蜜をまとわせたがくぽの指が差し入れられる。
「……ん」
耳まで赤く染めたルカは目を伏せて蜂蜜ごとがくぽの指にたどたどしく舌を這わせた。
恥ずかしさに赤くなったルカが口に差し入れた己の指をたどたどしく舐めるくすぐるような感触にがくぽはいっそう笑みを深くした。
するりと空いた手が膝の上で握り込まれた彼女の白く華奢な手に重なると指の腹で撫でる。
ぴくりとルカの身体が大きく震え、見開かれた空色の瞳の奥で隠しきれぬ情欲が燃えていた。
よりいっそう赤くなったルカの耳に唇を寄せたがくぽは重ねた手をつと膝裏に滑らせた。
ルカの身体の震えが大きくなるのに構わずに膝裏を円を描くように撫でたがくぽの手はそのまま白く滑らかな肌を上に辿り、止まった。
「……あ、……がくぽさん?」
口に差し込まれた指が離れていくとルカは艷めいた吐息をもらしてがくぽを呼んだ。
ばくばくとうるさいほどに鼓動が駆け巡りルカの全身に熱を運ぶ。
熱い。身体の奥が酷く燃えるように熱く灼ける。
太腿や髪に触れてくる手だけでは足りない。もっと、触れて欲しい。熱くがくぽを求めて灼ける奥まで。
羞恥から言葉に出来ずに顔を歪めたルカは喘ぎがくぽを見つめる。
手を止めたままがくぽはルカを伺う。
瞼を微かに震わしたルカの目の端に光るものが溜まっているのを見たがくぽは仕方ないと言わんばかりに息を吐き出す。
つと、あわされた両脚の合わせ目に手を滑らし、空いた手でルカの赤く染まった頬を撫でて耳に囁きを落とす。
「……こちらの蜜も、味わってよいか?」
返事を聞く前にがくぽはルカの唇に己のそれを重ねた。両脚の合わせ目に置いた手をゆっくりと上に滑らす。
柱時計が時を告げて鳴る。
それまでがくぽを受け入れていたルカが突然身体を突っぱねた。
「だ、ダメです! ここではっ、誰か帰ってきたら……」
その言葉にがくぽは瞬いた。
己の家の台所。窓から差し込む日の光が茜を帯びて室内のものを染める。
ああ、確かにこのままでは、色々と支障がありそうだ。
ならばとがくぽはルカの膝裏と背に腕を回し抱き上げる。
「きゃっ……あ、あの、がくぽさん?」
抱き上げられたルカが驚いた声を出して落ちないようにがくぽの背に腕を回すと首を傾げた。
「ここでなければ、よいのだろう?」
背に回されたルカの手に力がこもりがくぽを強く抱く。
ルカが肩口に顔を伏せてしまった為に表情を見ることは出来ないがきっと彼女は真っ赤になっているのだろうとがくぽには見当がつく。
腕にかかる彼女の重みと温もりと匂い、彼女の全てがいとおしい。
目元を和ませたがくぽは壊れ物を扱うように丁重に自室に向かった。
後書き
えろよりも難しかった気がしますが、多分えろを書きだすとえろの方が難しいと思うのだろうな。
ルカはスコーンを作ってからカイトが帰ってきて味見してもらってからがくぽに持って来ています。
うちのカイトはさりげなく最強です。
その日、ルカはかねてから練習して料理上手の兄からも太鼓判を押されたスコーンを焼いて恋人の家を訪れた。
がくぽはルカの持つ包みを見ると微かに驚いたように目を瞠ったがすぐに温かな笑みを浮かべると大切そうに包みを受け取り、彼女の肩を抱いて中に誘った。
家に入ったルカはがくぽに断り、台所を借りて紅茶の支度をしていた。
湯を沸かしたり準備をしているルカの傍でがくぽは包みからスコーンを取り出して皿に乗せていた。
こんがりきつね色をしたそれはふっくらと膨れていかにも美味しそうだ。
ルカはクリプトン家に来た当初は家事の経験など全く無く、ここに来てから初めてカイトたちの手ほどきで家事を習いだした彼女が近頃は掃除や洗濯は出来るようになった。それでも未だに料理は苦手としていることをがくぽはリンから聞いていた。
未だに一人では簡単な物しか作れないルカはせっせと料理の練習に励んでいるようで、時折、こうして出来たものを持ってきてくれるのだ。それもカイトたちのお墨付きのものだけを。
目元を和ませたがくぽは一つ手に取るとぱかっと二つに分けるて半分を口に放る。
「がくぽさん!」
ティーポットを手にしたルカががくぽの行動に驚いて声を上げた。
微かに肩を竦めてみせたがくぽは気にせず口の中のスコーンを味わう。
さっくりとした外の生地と違い、中の生地はしっとりと口の中でほろりと崩れるスコーンは甘さ控えめでいてそれでも確かな素材の旨みが口の中で広がる物だった。
ゆっくりとがくぽは口の中に入れたスコーンを最後まで味わう。
目元を怒らせてがくぽを見ていたルカはそれに気付くとはっと息を呑むとティーポットをテーブルに置き、伺うようにそわそわと指を絡ませて落ち着かない。
可愛らしいルカの仕草に口元に笑みを宿したがくぽはどこか不安気に瞳を揺らすルカと瞳を見交わせ、ふわりと微笑んだ。
「……美味いぞ」
「本当ですか! ……良かった」
がくぽの言葉に心底嬉しそうに顔を綻ばせたルカはほっと息をつくと花のような笑みを浮かべた。
いそいそと紅茶をティーカップに注ぎがくぽに差し出したルカはがくぽの隣の椅子に腰掛けると、別の包みからクロテッドクリームとカイトの手作りジャムの入った瓶を取り出した。
「スコーンにこちらのクリームとジャムを付けて食べるともっと美味しいですよ」
ジャムの瓶を見たがくぽはふとルカに問いかける。
「それ以外では駄目なのか?」
唐突ながくぽの問いにぱちぱちと瞬いたルカは緩く首を振る。
「いえ。別に構いませんが」
ならばと戸棚に向かったがくぽが持って来た瓶にルカは意外そうな顔でがくぽを見た。
「蜂蜜ですか?」
「ああ」
言葉少なに答えたがくぽはルカに蜂蜜の瓶を渡す。
『桜』とラベルに書かれた瓶をまじまじと見たルカはがくぽに視線を移した。
見上げてくるルカの目にありありと浮かぶ戸惑いにがくぽはルカの座る椅子の背に左手を付き右手を瓶を持つ彼女の華奢な手に重ねた。
「……意外そうだな」
「あ……はい」
ルカは微かに頬を染めて答えた。
がくぽは甘味は食べる事は食べるが、苦手では無いだけでカイトのように毎日アイスを飽きずに食べる程得意では無いとルカは記憶していた。
だからこそ、ルカはがくぽの元に持ってくる菓子はレシピ通りではなく砂糖の量を減らして作るようにしている。
すっとルカの手から蜂蜜の瓶を取りがくぽは蓋を開ける。
「この蜂蜜なればこそ、だな。桜には思い入れがある故に……」
「思い入れ、ですか?」
「そう、我を惹きつけて止まぬ桜に、な……」
首を傾げるルカにくすりと笑い蓋と瓶をテーブルに置いたがくぽの手は流れ落ちる絹を思わせる柔らかな桜色に触れ、一房すくい上げるといとおしそうに目を細めて指の腹で撫でる。
何度か瞬いていたルカは意味を理解すると目を見開き、さっと耳まで赤く染めて視線を彷徨わせる。
そのルカの仕草にがくぽの笑みはいっそう深くなる。
乙女のように恥じらうかと思えば、己の腕の中で見せる大胆に煽情的なまでに誘う彼女を知れば知るほどに、触れれば触れるほど、がくぽは彼女に惹かれ、魅了され……手放せなくなる。
ルカを愛しく想う心は尽きることも褪せることも無く、がくぽの心の奥底で絶えず枯れることの無い泉のように湧き出て鮮やかに存在するのだ。
それはどこまでも心地良い。
顔を赤くし逃げたそうに身じろぐルカの座る椅子の背にがくぽは左手を置くと己の身体を使い彼女の逃げ道を奪う。
息を呑む彼女に構わずに右手で微かな癖を持つ桜色の髪を撫でると一房すくい上げ口付けた。
己の髪を撫でて口付けるしなやかな手と唇。
己の瞳を捉えて離さない強い光を宿す蒼の双眸。浮かべられた笑み。仄かに薫る香。
そのがくぽの全てがルカの身体の最奥から火と熱を喚び起こす。
彼の左手がルカの背筋をゆっくりと滑る。右手で髪を玩ぶ彼はルカの目の前でゆっくりと髪に口付ける。視線を外さないままに……。
「……っ」
小さく声を発してルカは身体を震わせた。自覚した熱はいとも容易くルカを呑み込んで広がる。
熱い。がくぽの触れる箇所全てが熱を帯びてルカを煽る。
もっと、触れて欲しい……。衣服の上からではなく、直に。
全身を駆け回る熱に浮かされたルカはがくぽに熱で潤む空色の瞳を向ける。
口を開いたルカの口にどこか妖しさを含む笑みを浮かべたがくぽの指が差し込まれる。
「んっ……」
口に広がる甘さにルカは目を瞬いた。
しつこい甘さではなくさらりと深みのある甘さが桜の香りと共に口の中に広がる。
「……美味いであろう?」
くすりと耳元で響くのは低く艷めいた笑い。掠めた吐息にぞくりと背筋を震わし切なげな吐息を零した。
頬を上気させ瞳を潤ませたルカは無意識にねだるような表情をがくぽに向ける。
がくぽはルカの口に差し入れた指を抜き取るとどこか陶然とした表情で彼女の雄弁に語る潤んだ空色の瞳を見つめて妖しく微笑んだ。
唾液で濡れた指。
その男性にしては色の白く、整った指をがくぽの赤い舌が味わうように舐めるとまた、髪を撫でて口付ける。
楽しげに細められた妖しい光を帯びるがくぽの瞳からルカは視線を逸らすことが出来ずにただ、見つめていた。
がくぽの仕草に最奥で揺らめく炎と熱がルカの理性を灼く。
触れて欲しいのは、髪ではない。もっと別のところ。
身体の最奥が、本能ががくぽを求めてルカを苛む。
「……あ、っ……」
何も言えずにただ視線を彷徨わせてルカはただ喘ぎ、俯いた。きゅっとスカートを握り込むルカの手は微かに震えていた。
俯くルカの顎を持ち上げて視線を合わせたがくぽはくすりと笑うと囁いた。
「もう一口、いかがかな?」
いたずらっ子のような顔で笑うがくぽの瞳は妖しい色を帯びてルカを射ぬく。
小さく頷いたルカの愛らしい口に蜂蜜をまとわせたがくぽの指が差し入れられる。
「……ん」
耳まで赤く染めたルカは目を伏せて蜂蜜ごとがくぽの指にたどたどしく舌を這わせた。
恥ずかしさに赤くなったルカが口に差し入れた己の指をたどたどしく舐めるくすぐるような感触にがくぽはいっそう笑みを深くした。
するりと空いた手が膝の上で握り込まれた彼女の白く華奢な手に重なると指の腹で撫でる。
ぴくりとルカの身体が大きく震え、見開かれた空色の瞳の奥で隠しきれぬ情欲が燃えていた。
よりいっそう赤くなったルカの耳に唇を寄せたがくぽは重ねた手をつと膝裏に滑らせた。
ルカの身体の震えが大きくなるのに構わずに膝裏を円を描くように撫でたがくぽの手はそのまま白く滑らかな肌を上に辿り、止まった。
「……あ、……がくぽさん?」
口に差し込まれた指が離れていくとルカは艷めいた吐息をもらしてがくぽを呼んだ。
ばくばくとうるさいほどに鼓動が駆け巡りルカの全身に熱を運ぶ。
熱い。身体の奥が酷く燃えるように熱く灼ける。
太腿や髪に触れてくる手だけでは足りない。もっと、触れて欲しい。熱くがくぽを求めて灼ける奥まで。
羞恥から言葉に出来ずに顔を歪めたルカは喘ぎがくぽを見つめる。
手を止めたままがくぽはルカを伺う。
瞼を微かに震わしたルカの目の端に光るものが溜まっているのを見たがくぽは仕方ないと言わんばかりに息を吐き出す。
つと、あわされた両脚の合わせ目に手を滑らし、空いた手でルカの赤く染まった頬を撫でて耳に囁きを落とす。
「……こちらの蜜も、味わってよいか?」
返事を聞く前にがくぽはルカの唇に己のそれを重ねた。両脚の合わせ目に置いた手をゆっくりと上に滑らす。
柱時計が時を告げて鳴る。
それまでがくぽを受け入れていたルカが突然身体を突っぱねた。
「だ、ダメです! ここではっ、誰か帰ってきたら……」
その言葉にがくぽは瞬いた。
己の家の台所。窓から差し込む日の光が茜を帯びて室内のものを染める。
ああ、確かにこのままでは、色々と支障がありそうだ。
ならばとがくぽはルカの膝裏と背に腕を回し抱き上げる。
「きゃっ……あ、あの、がくぽさん?」
抱き上げられたルカが驚いた声を出して落ちないようにがくぽの背に腕を回すと首を傾げた。
「ここでなければ、よいのだろう?」
背に回されたルカの手に力がこもりがくぽを強く抱く。
ルカが肩口に顔を伏せてしまった為に表情を見ることは出来ないがきっと彼女は真っ赤になっているのだろうとがくぽには見当がつく。
腕にかかる彼女の重みと温もりと匂い、彼女の全てがいとおしい。
目元を和ませたがくぽは壊れ物を扱うように丁重に自室に向かった。
後書き
えろよりも難しかった気がしますが、多分えろを書きだすとえろの方が難しいと思うのだろうな。
ルカはスコーンを作ってからカイトが帰ってきて味見してもらってからがくぽに持って来ています。
うちのカイトはさりげなく最強です。
by 瀬川 唯
PR
この記事にコメントする