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目の前を歩くヴァン。 彼らが向う先には繰り返し繰り返し見た忌まわしくも悲しい罪を犯した大地。行きたくない、行って欲しくないけど……身体が鉛で出来ているのかと思うほどに重く動かない。
どうして。
なんで。
ここにいるのだろう?
彼は、どこ?
怖くて悲しくて恐ろしくて彼を探しても、身体を押さえ込む何かが邪魔でそのまま。
着いて行くしかなかった。身体がおかしい。こんなのいつもと違う。
たすけてほしい。
ああ、ついてしまった。
アクゼリュスに……。
ぱらぱらと落ちる譜業の破片と、鉱山を形作っていたもの。
哄笑をくり返していた男を切りつけ、傍らに取り戻した半身を抱きしめる。
くったりと意識の無い身体は力が抜けきり、アッシュの腕の中で青い顔をしている。
アッシュがアクゼリュスに訪れたのは、不死の身体を手に入れ、魔界の泥の中でも生きられる保障があったからこそ、預言で誰かが訪れる前に落してしまうつもりだった。
しかし、目論見は事如く外れ、予想外に早いスピードで和平の使者であるジェイドがキムラスカ入りし、ガイやティア……をつれアクゼリュスに訪れてしまった。
メンバーは、ティアにガイ、ジェイドにアニス。イオンに強引についてきたナタリアという前回と同じ顔触れでありながら……親善大使としてルークが乗っている馬車や御輿には誰も乗っておらず。
運ぶ面々を連れての行進だった。
ルークの不在。
早い行進。
アッシュは内心の焦りを出すことなく、超振動によって住民達を避難させておいた。身体は悲鳴をあげたが、驚異的な回復により何とかなった。
これならば、ルークに再び罪を重ねさせずに済む。
しかし、不運な事にパッセージリングの解除を行われた時に、不在だったルークを連れてヴァンが戻ってきたのだ。
しかも、連れられ虚ろな表情で立つルークは女性の姿をしていた。その腹部が異様に膨らんでいる事も異常としか言いようが無く、ヴァンは再びルークに破壊を命じ様とした為、寸でのところでアッシュの刃が致命傷を与えるに至った。
哄笑は続く、アッシュに切られ様と、使おうとしていた人形が奪われようと。ヴァンは狂い笑う。
その声に複数の声が重なり、共鳴しあう。
耳障りで、アッシュは眉間に皺を寄せる。
パッセージリングが嫌な軋みを上げて崩れ落ちるのをアッシュは呆然と見つめているしかなかった。
(俺は何もしていない。ルークも……ヴァンも)
自然崩落。
その最中、ティア達が駆けつけたのだった。
タルタロスの甲板で、中間達の憤怒の声を聞いた。
(みすてられる)
それは恐怖だ。
しかも、自分が自分で無い事が良く分かる。
なんで、どうしてと思うと涙さえ溢れてこない。
アクゼリュスニ俺ガイタカラ。
その悲しい認識と共にルークの意識は闇へと迷い込んでいく。
どうして。
なんで。
ここにいるのだろう?
彼は、どこ?
怖くて悲しくて恐ろしくて彼を探しても、身体を押さえ込む何かが邪魔でそのまま。
着いて行くしかなかった。身体がおかしい。こんなのいつもと違う。
たすけてほしい。
ああ、ついてしまった。
アクゼリュスに……。
ぱらぱらと落ちる譜業の破片と、鉱山を形作っていたもの。
哄笑をくり返していた男を切りつけ、傍らに取り戻した半身を抱きしめる。
くったりと意識の無い身体は力が抜けきり、アッシュの腕の中で青い顔をしている。
アッシュがアクゼリュスに訪れたのは、不死の身体を手に入れ、魔界の泥の中でも生きられる保障があったからこそ、預言で誰かが訪れる前に落してしまうつもりだった。
しかし、目論見は事如く外れ、予想外に早いスピードで和平の使者であるジェイドがキムラスカ入りし、ガイやティア……をつれアクゼリュスに訪れてしまった。
メンバーは、ティアにガイ、ジェイドにアニス。イオンに強引についてきたナタリアという前回と同じ顔触れでありながら……親善大使としてルークが乗っている馬車や御輿には誰も乗っておらず。
運ぶ面々を連れての行進だった。
ルークの不在。
早い行進。
アッシュは内心の焦りを出すことなく、超振動によって住民達を避難させておいた。身体は悲鳴をあげたが、驚異的な回復により何とかなった。
これならば、ルークに再び罪を重ねさせずに済む。
しかし、不運な事にパッセージリングの解除を行われた時に、不在だったルークを連れてヴァンが戻ってきたのだ。
しかも、連れられ虚ろな表情で立つルークは女性の姿をしていた。その腹部が異様に膨らんでいる事も異常としか言いようが無く、ヴァンは再びルークに破壊を命じ様とした為、寸でのところでアッシュの刃が致命傷を与えるに至った。
哄笑は続く、アッシュに切られ様と、使おうとしていた人形が奪われようと。ヴァンは狂い笑う。
その声に複数の声が重なり、共鳴しあう。
耳障りで、アッシュは眉間に皺を寄せる。
パッセージリングが嫌な軋みを上げて崩れ落ちるのをアッシュは呆然と見つめているしかなかった。
(俺は何もしていない。ルークも……ヴァンも)
自然崩落。
その最中、ティア達が駆けつけたのだった。
タルタロスの甲板で、中間達の憤怒の声を聞いた。
(みすてられる)
それは恐怖だ。
しかも、自分が自分で無い事が良く分かる。
なんで、どうしてと思うと涙さえ溢れてこない。
アクゼリュスニ俺ガイタカラ。
その悲しい認識と共にルークの意識は闇へと迷い込んでいく。
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