女の子ルークです。
アッシュを磔刑にしたいというツイッターでの会話で出来た話。西暦になおすとアッシュは今日が誕生日らしいですww。
ナタリア厳しめです。年齢制限ものです
くすくすと誰かが哂う声を聴き、混濁していた意識が覚醒する。
「ぅ……っ」
両腕が重い。足が動かない。手足は何かに縛られている様で自由にならない不快感に眉間に皺が寄る。
「お眼がさめまして? 被験者」
寒々しい広い石造りの空間に少女の声が響く。小鳥の様に愛らしい声に潜む悪意に不快感が高まり、腹の奥から憤りと共にため息を吐き出す。
どうやら、中央にある祭壇の前に設置された十字架に磔にされている様だ。悪趣味としかいい様がない。大体、どうやってその細腕で自分とこの十字架を運んだのだろう。
そんな現実逃避を若干図りながら、アッシュは目の前に立つ己のレプリカであり、少女である存在を見つめた。このレプリカは異質な存在。
男の被験者から生み出されることの無い、女のレプリカ。
そして、アクゼリュス崩落と共に姿を消した……少女。レプリカを憎みきれず、幼い少女一人で彷徨うと思うと気がかりだった相手だ。アクゼリュスは同位体でない彼女では落とす事も出来ないと直ぐに悟った。なればこそ、彼女を保護しなくてはならぬと師の野望を砕く道すがら必死に探し回っていたのに。
「何の用だ? 」
苛立ちを隠さずにアッシュは吐き捨てる様に彼女に声を掛けた。吐く息は白い事からケテルブルクの近くの様だ。レプリカはあの腹の出る服装のままで上着を脱いでいる。
自分も、法衣の上を脱がされていて、少しばかり肌寒い。
「用というか、ここに綺麗な教会がありまして。貴方と見たいなと」
楽しげに告げる言葉。
「馬鹿か貴様」
「まあ、女性に対して酷い言い様ですわね。ルーク様? 」
「それは、お前だろう? ルーク」
その言葉に、悲しそうに顔を歪め、俯く彼女の細い首筋から視線を外す。長く見ていいものではない。
「俺が……な訳ないだろう」
怒りに震えているのか、身体を小刻みに震わせるレプリカ。短いシャツの上からは細い肩や薄い背中が浮き出ている。自身の顔を美しいと思ったことは無いが、やはり……美麗だと思う。一度だけ、アクゼリュスの騒動の中でマジマジとその姿を見た時から、脳裏に焼きついていた。
「まあ、いいや。なあ、被験者。お前の後ろには大きなステンド硝子があるんだ。そこに、聖人が磔にされてる絵が描いてある。見たときにお前でやったら様になる気がして」
「試したのか? 」
「うん」
怒声が出なかったのが救いだとすら思う。しかし、無邪気にそう言って退ける相手に対してまで、無闇に怒鳴る趣味は無かった。
「良く似合う。すっげぇ綺麗だ」
うっとりとした眼差しで、芸術品を見るように呟く少女が、小瓶を片手に歩み寄ってくる。
睨み上げても動じずに、小瓶の中身を一気に煽るとそのまま唇を重ね合わせてきた。驚きに硬直している唇をこじ開け、舌を絡めてくる。その時、口に含まれた甘ったるい生暖かい液体が流し込まれ吐き出すことも叶わず飲み下す。
飲み下した後も暫らくは口付けを味わう様に貪るように激しく舌を絡められる。それだけで、男の劣情は刺激される。
「は……何を飲ませた? 」
その問いかけに答えずに、甘く息を付きながら、離れた唇同士が銀糸のような唾液に繋がっている。潤んだ双眸がアッシュを映していた。
「今日はプレゼントを貰える日なんだ。俺にも頂戴? 」
「プレゼント……?」
「そう、プレゼント。お前の……が欲しい」
手が、胸元の止め具を外し、淫らに彷徨う。耳に舌を絡ませてワザと耳元に濡れた音を立ててくる。膝を付くと、ズボンの前を寛げていく。取り出された屹立は彼女の細い指が絡まるより先に飛び出してきた。それに眼を見張り頬を染める。羞恥を感じアッシュは目線を逸らす。
屹立をなんの抵抗もなく柔らかな唇が包みこむ感覚に酩酊しながら、アッシュは先ほど飲まされた液体が何だったのか理解した。
磔刑の状態ではやりにくかったのか、途中で拘束を外されたが長く縛られていた腕は痺れて巧く動かせず、足は棒のようでその場で崩れ落ちてしまった。
そんな身体の上に馬乗りに乗り上げ、蜜を垂らした花びらに屹立を擦り合わせ、腰を落としてきた。目の前では形の良い膨らみが呼吸に合わせて上下し、屹立は熱い粘膜に飲み込まれていく。
「あ、いった……」
苦痛に顔を歪め、繋がる箇所が血を流す。
破瓜だ。
「お前……」
息を乱し、目の前の少女を見ると涙に濡れた顔で幸せそうに微笑んでいる。
「……」
また、耳元で先程の願いを囁かれる。
痺れの残る腕で女の身体を抱きしめ、強引に唇を奪い。揺すぶりあげると腕の中で硬直した後、弛緩し舌を絡めて来る。
「媚薬が切れるまで相手しろよ」
掠れた声で告げ、女の乳房を強引にも掴み揉みだすと、痛みに声を上げて仰け反っていた。
ぐったりと横たわるルークから身体を離す。繋がったままの箇所はドロドロとした粘性の液体で汚れていて、不快だった。息を詰めて抜き出すとドロリと白濁が溢れる。
ここまですれば、彼女の欲しがるプレゼントも用意できただろう。教会内のベットに寝かせ、譜術で暖めた湯を使い清めると。自身も手早く身づくろいをし。
懺悔に使われているであろう。広い石造りの部屋の中に設置された狭い部屋の扉を開く。そこに座り込み泣き濡れた顔を上げた女性に殊更優しく声を掛けて、連れ立って教会を後にした。
傍らのナタリアはまだ衝撃から抜けきっていないのか泣き出しそうな様子で歩いている。
その事に辟易しながら、目覚めた時に見たルークの侮蔑も露わにした笑みとその先にある小部屋を思い浮かべる。
(あんな方法に出るとはな)
ルークの好意に気付いてはいなかったが、まさかあそこまで徹底してナタリアの精神を破壊しようとするとは思わなかった。今も一人残された事に憤っているかもしれない。
(もっと、堕ちてこい。お前の欲しがったものは、お前の腹にあるだろう)
それ以上が欲しいならもっと狂えばいい。
暗く哂いながらアッシュは帰路についた。