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「レーン! お菓子食べよ~! 」
そう大きな声を出して駆けてきた双子の姉にレンは微かにため息をつく。どうしてこう、子供のような(実質彼らは14歳なので十分子供なのだが) 振る舞いを続けれるのか……。
「リン! 恥ずかしいからそんなに大声出すなよ~」
思わず何だか情けない声になってしまう。そんなレンに双子の姉は頬を膨らませる。
「何よ~! レンはリンとお菓子食べたくないの? 」
「あのな~、この歳になって姉ちゃんと菓子食う奴いないって」
「いるよ、絶対」
「それはリンがそう想ってるだけだろ」
そこまで言って、レンは慌てて口を閉じた。
先ほどまで明るい顔をしていた姉が今では、某有名なポの付く名前の菓子の箱を変形させんばかりに握り締めて、なみだ目になっていたからだ。
(やっべ、泣きそう)
レンにとって一番困るのはこの姉の扱い方だ。隣のクラスだというのにその人気は凄まじく、泣かせたと聞きつけて親衛隊が飛んでくる始末だ(そんなレンにも親衛隊は多数存在するが、あいにく彼の中にその存在は知られていない)
「何よ!! レンの馬鹿! カバ! むっつり!!」
「ちょ! 最後はいくらなんでも酷いだろ!!」
「もう知らないもん!! レンなんか」
「リン!!」
そう言い切ると姉は持っていた菓子をレンに投げつけて走り出してしまった。
「待てよッ」
菓子を拾い上げ、レンは慌ててその背中を追いかけていった。
もう直ぐ、追いついたレンがリンのご機嫌取りに成功し二人で並んでお菓子を食べるだろう。そんな双子の日常はこれからも続く。
あとがき
アシュルクは挫折しました。
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